非破壊検査・計測について
非破壊検査・計測は材料、製品、構造物など検査対象物に対し破壊(傷をつけたり、分解したり)することなく傷を検出、対象物の性質・材質などを検査・計測する検査手法です。非破壊試験には、目視検査、渦電流検査、放射線検査、超音波検査、磁気検査、浸透検査、ひずみ検査などの手法があります。
非破壊試験の特徴は検査対象物を壊さないで検査できるために素材の段階から最終製品に至るまで全数検査することが可能であり、手法を選ぶ事により表面から内部までの欠陥の有無、材質、性質を検査できることです。
非破壊検査は全数検査が可能であるため製品の品質保証ができる事はもとより製造技術の改善や製造コストを低減させることができます。
フェルスター社は渦電流・磁気を使った非破壊試験・検査機器を製造販売する専業メーカーです。1937年金属の特性を研究していたフェルスター博士が磁気コイルに及ぼす地磁気の影響を発見して以来渦電流・磁気を応用した探傷機、検査機器など今日に至るまでに色々な分野で数多く使われており安全の一翼を担っています。
テレビなどで見かける地雷探知器も渦電流を応用した金属探知機であり磁気の変化を応用した不発弾探知機もフェルスター製品で戦後の復興に貢献しています。
フェルスター博士は本人が確立した理論に基づく渦電流・磁気検査器が産業界で多く使われる事により多くの安全が確保できる事を願い特許を取得せずに公開しました。そのため渦電流・磁気検査機が数多く市場に投入され世界中の安全に寄与しています。
渦電流探傷試験は、交流を流したコイルを金属(導電体)に近づけると金属には渦巻き状の電流(渦電流)が誘導され、この渦電流は疵や材質などにより変化しますのでその変化した渦電流を検出することにより欠陥や材質の違いなどを見つける非破壊試験の手法です。
材質試験に使われる渦電流検査・計測機器は渦電流が導電率、透磁率、ギャップなどにより変化することを応用した機器であり、導電率計、透磁率計、保磁力計などとして使われています。また材質の違いや形状の違いによる渦電流の変化を利用した検査機では異材弁別器などとして焼入れ管理、異材混入検査などに多く使われています。
渦電流試験は電気的な試験ですから高速な検査が可能になりますが、検査対象物が金属(導電体)であることが条件になります。又電流の表皮効果により検査できる範囲は表面から表層になります。